━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     食品表示知ってるつもり!? 表示はココを見ろ!(2010/7/23) ホームページ→【食品表示情報局】 http://shokuhin-hyoji.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆「時鮭」をご存知ですか?◆ こんにちは。 食品表示情報ネット神戸の梶原です。 当方に質問をいただきました。 ですので今回はその内容をご紹介したいと思います。 読者の皆様は、 ◆時鮭 をご存知でしょうか? 読みは「ときしらず」で、一定の時期の鮭のことをこう呼びます。 要するに季節名ですね。 今回はこの「時鮭」についての質問で、 ◇食品表示のルール上において「時鮭」の定義は存在するか? という内容です。 厳密に言うと、 ◆食品表示のルール上は直接には「ない」 ということにはなります。 ですが、ガイドラインは世間一般に知られた名称を全て否定するものではなく、 広く定着していると認められるならば、その表示を認めています。 つまり「季節名」による表示を認めています。 では例のガイドラインを見てみましょう。 ---------- 【魚介類の名称ガイドライン】 http://www.jfa.maff.go.jp/hyouji/073002.pdf ---------- 8ページ以降の例を見ると、 鮭は、 ◇サケ ◇シロサケ、アキサケ、アキアジ …と書かれていて、これ以外の表示はムリというようにも見えるのですが、 それより前の3〜4ページを見ると、 表示例として、 ◇成長名、季節名 を挙げており、 「成長段階に応じた名称(成長名)や季節に応じた名称(季節名)がある生鮮魚介類については、 成長名や季節名がその内容と表すものとして一般に理解されるものである場合は、 それらの名称を記載できることとする。」 と書かれています。 さらに例として、 ○季節名 ・サケ⇒アキサケ・アキアジ(秋頃に産卵のために沿岸に回遊してきたもの) トキサケ・トキシラズ(春から初夏に沿岸に回遊してきたもの) を挙げています。 「トキシラズ=時鮭」ですから、当然その表示は可能となります。 そしてもう一つ質問者様の疑問というのが、 ◆(時鮭と表示する場合に)漁獲時期や漁獲海域での線引きが有るのか無いのか? ということでした。 これについては、もう一度ガイドラインの文章を見ましょう。 ポイントは、 ◇成長名や季節名がその内容と表すものとして一般に理解される ことであり、 時鮭というのは、 ◇春から初夏に沿岸に回遊してきたもの という部分です。 そうなると、当然漁獲時期は関係あります。 さらに「沿岸」とは当然日本沿岸のことと思われるワケで(笑)、 その意味では漁獲海域も関係あります。 日本以外のどこかの国の「沿岸」ではマズいが、 日本沿岸であればよし、ということです。 (どうしたって北海道という話になるんでしょうが) 「じゃあ沿岸ってドコや!」という話かも知れませんが、 特に重要とも思えませんので割愛。 因みに広辞苑には、 ◇河海あるいは湖の陸地に沿った部分 と書かれていて、 海岸法にはまた別の定義があるそうですが未確認。 では今回は以上です。