◆「クリーム」の定義◆ こんにちは。 食品表示情報ネット神戸の梶原です。 さて、今回も当方にいただいたご質問を紹介したいと思います。 内容は、 ◇食品における『クリーム』の定義はどのようになっているのか? というものです。 なかなか面白い質問ですよね。 さて・・・ まず考えるべきことは、 ◇乳製品としての「クリーム」 と、 ◇「クリーム」の名のつく他の食品のクリームの定義は同義とは限らない ということです。 なのでまずは、 ◇法で言うところの「乳製品」とは何か? を確認する必要があります。 条文上の根拠は、 『乳及び乳製品の成分規格等に関する省令』 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S26/S26F03601000052.html となります。 ちょっと読みづらいかと思いますが、 今回のクリームの例で言うと、 ◇生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したもの という定義(乳等省令2条)と、 ◇乳脂肪分 18.0%以上 ◇酸度(乳酸として) 0.20%以下 ・・・といった定義が存在します。(乳等省令別表)。 これらを両方満たしたものが、乳製品としての「クリーム」。 いわゆる「生クリーム」がこれに該当します。 では生クリーム以外でクリームと名のつく食品。 例えば「アイスクリーム」はどうだ?という話があります。 アイスクリームの定義についてはかなり知られているところですが、 一応書きますと、 ◇乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、 又は主要原料としたものを凍結させたものであつて、 乳固形分3.0%以上を含むもの であり、 かつ、 ◇乳固形分 15.0%以上 ◇乳脂肪分 8.0%以上 であるものという定義があるわけです。 同じ乳製品でありながら、「クリーム」の定義とはちょっと違います。 従って、 ◇「クリーム」という言葉がついているからと言って乳製品の「クリーム」の定義がそのまま適用されるわけではない という当然の結果が導きだされます。 「アイス」と「クリーム」を分けて考えても無駄だってことです(笑) アイスクリームというのはそれで一つの食品。 ならば「アイスクリーム」としての定義があるかどうか?という考え方をしないといけないわけです。 さらに定義が存在したとして、 その定義が、 ◇法律などの強制法規が求めている のか、 ◇単なる一般レベルの話 なのか を判断しないといけないわけです。 なので、 ◇シュークリーム ◇ソフトクリーム ◇カニクリームコロッケ ◇マロンクリーム ◇クリームパン ◇クリームグラタン ◇コーンクリーム といった食品に関しても同様です。 これらはそれぞれ一つの食品ですから、 これらに関して定義が存在するかどうか、 そして、 その定義が法の求めるものなのかどうかを判断する必要があります。 正直なところ、これらの定義についてはあまりピンときませんが、 むしろ公正競争規約に目配りしておいた方がいいかも知れませんね。 規約というからにはそれを根拠に罰則があるわけではありませんが、 その内容が「業界標準」である可能性が非常に高いので。 では今回は以上となります。