◆ 原産国が複数表示になる場合の表示方法 ◆ ご存知のように、原産地関係の表示としては、 1.原産国表示 2.原料原産地表示         以上が存在しますが。   原産国の定義としては、 「その商品の内容について実質的な変更をもたらす行為が行なわれた国」   と規定されています。 --------------------- 【参考】 商品の原産国に関する不当な表示 http://www.caa.go.jp/representation/pdf/100121premiums_14.pdf (消費者庁ホームページ) --------------------- ◆輸入品である加工食品の製造工程が二国以上にわたる場合で、 当該商品の重要な構成要素が複数あり、そのいずれの部分も重要性に優劣が付けられない場合、 又は、 商品の重要な製造工程が複数あり、 そのいずれの工程も重要性に優劣が付けられない場合であって、 それらが別々の国で行われるときには、 それらの国をすべて原産国として表示する必要がある。 …と書かれています。 しかも、 ◆どのような場合に複数の原産国の表示が必要になるかについては消費者庁表示対策課にご照会下さい …という注釈付き。 --------------------- 【参考】 加工食品に関する共通Q&A(第1集) http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin242.pdf (消費者庁ホームページ) --------------------- これってどういう意味?というのが質問の内容。 しかし実際のところは見たことないわけですよ。 原産国表示が複数並列なんていうのは。 確かに、 ◇中間加工:中国 ◇最終加工:日本 といったような任意表示ならありえるかも知れませんが。 なんの注釈もなしに複数の原産国表示をやれば、 それこそ消費者からのツッコミは確実でしょうから。 結局のところ、 これは、 ◇関税法 のこと言っているのかなというのが当方の見解。 なんのこっちゃ?と言われるかも知れませんが、 これは正に「輸入」という点がポイント。 以下のリンクをまずはご覧ください。 http://www.customs.go.jp/tariff/2010_4/data/i201004j_10.htm 以上のリンクは、 ◇実行関税率表(2010年4月版) の、 ◇第2部 植物性生産品・第10類 穀物 の部分。 左側に番号がついてます。 ◇小さい区切り(1001.10など) と、 ◇大きな区切り(10.01) がありますが、 製造や加工の結果として、 ◇大きな区切り(10.01) を超えて変更された場合にそれは「実質的な変更」であるという考え方。 こういったことが「複数国」で行われた場合は原産国の「複数表示」というリクツにはなります。 逆に言うと、 ◇A国産とB国産の小麦を混合した などは、この大きな区切りを超えないために「実質的な変更」にはあたらない。 関税法は消費者庁所管でも農水所管でも厚生労働省所管でもありません。 なので「Q&A」の中で細かい説明は避けたものと思われます。 (しかし海外生産の場合は情報の把握がややこしくなりがちです…) また、こういったご質問もありました。 食品表示管理士という民間資格があるのだそうで、 その試験の受験をされるという方からのメール。 ---------------- 【参考】 http://www.jssa.or.jp/?p=973 (社団法人日本セルフ・サービス協会ホームページ) ---------------- 要するに、 ◇一般用語としての「生鮮食品」の中にも「加工品」と「生鮮品」の区別があってワケがわからない といったような内容でした。 なるほどですね〜 しかし、これを文章で説明しようとするとかなり骨が折れます。 と言いますか、正直ムリではないかと思います。 なのでこの内容の場合、 垣田達哉さんの『わかる食品表示 基礎とQ&A』(商業界)という本の第2章を是非お読みいただきたいです。 初版が2005年でその後の改訂版が出ているかどうかは不明ですが、 基本的な部分はそれほど大きく変わっていませんし、図表もついています。 手に入る範囲では非常に参考になるかと思います。